住友生命『ドクターGO』には、いくつかの特長はありますが、保険料の高さを考えると、お勧めしにくいです。

住友生命は、明治40年創業の、伝統と実績を誇る生命保険会社です。

保険料の安いカタカナ生保・損保系生保に押されつつあるとはいえ、会社の規模を表す総資産でも、単年度の売上高でも、いまだに大きな存在です。

そんな住友生命の医療保険、『』ですが、いくつかの特長はありますが、保険料の高さを考えると、お勧めしにくいです。

以下で、保障内容の特徴と、保険料例(他社との比較を含めて)をご説明します。

なお、同社の限定告知型終身保険『千客万頼』は、もともとは終身保険ですが、健康上の不安がある人にとっては、医療保険としても通用する商品です。
詳しくは住友生命『千客万頼』で、説明しています。


『ドクターGO』の仕組みは、標準的な医療保険ですが、個々の保障は手厚くなっています。

『ドクターGO』は、入院給付金を核にして、それに15の特約から必要なものを付加できる、標準的な仕組みの医療保険です。

とは言え、細かく見ていくと、あちこちで保障が手厚くなっています。たとえば・・・

  • 入院給付金は、入院1回あたり180日までが標準仕様(60日型、365日型も選べます)。
  • 所定のがんによる入院では、日数無制限の保障に延長される。
  • 手術給付金は、手術の中身に応じて、入院給付金の5~40日分の一時金が出る。
  • 放射線治療や骨髄移植でも、手術給付金と同じく、一時金が出る。
  • 15という多数の特約が用意されている。
  • 特定重度生活習慣病保障特約は、重度の高血圧症や慢性膵炎も対象になっており、範囲が広い。

一つ一つは他社でも見かける保障ですが、ひとまとまりになると、かなり手厚く見えます。

ただし、保障が手厚ければ良い、というものではありません。保障が厚くなれば、保険料も高くなります。バランスを考える必要があります。

たとえば・・・

入院給付金は、全員に180日必要というわけではない

医療保険では、入院1回あたりの保障日数が制限されています。60日まで、というのが多数派です。そして、希望者は120日まで延ばすことができます。
延ばすと、保険料が少しだけ上がります。

それと比べると、『ドクターGO』は、180日までの保障が標準仕様なので、手厚いと言えます。ただ、その分保険料も高くなっているはずです。

下の図は、厚生労働省『患者調査』(平成26年)から、あらゆる病気・入院の入院日数の割合を表した円グラフです。

あらゆる病気・入院の入院日数の割合のグラフ

60日以内に92.4%、120日以内に97.3%が収まっています。そして、60日を超えると、日数を延ばしても%は少ししか増えません。
多くの医療保険が、60日とか120日と設定していることには、ちゃんとした根拠があります。

もちろん、180日にした方が、カバーできる%は増えます。しかし、120日と比べて、充実感は微妙です。

がんの入院で、日数無制限の保障は、必要性が低い

日本人の二人に一人ががんにかかり、三人に一人ががんで亡くなります。日本人にとって恐ろしい病気なので、保障を厚くしたくなります。

そういう庶民感情を見透かしてのことか、ほとんどの保険会社が、がんの入院を日数無制限で保障できるようにしています。

ところが、がんは、むしろ入院日数の短い病気です。
三大疾病と七大生活習慣病の入院日数を厚生労働省『患者調査』(平成26年)からの引用しました。赤字が三大疾病です。

傷病名 平均在院日数
がん 19.9日
糖尿病 35.5日
高血圧性疾患 60.5日
心疾患 20.3日
脳血管疾患 89.5日
肝疾患 25.8日
腎不全等 37.9日
全体の平均 31.9日

がんの入院日数は19.9日で、すべて病気・ケガによる入院の31.9日より、12日も短いです。

がんで心配なのは、入院の長期化よりも、再発や転移による、複数回の入院です。
日本人がかかりやすい病気だけに、治療の進歩は活発です。通院で取り組むことのできる治療法(放射線治療、抗がん剤治療等)が増えています。

こうして見ると、がんによる入院の保障日数延長は、ムダというわけではないものの、ぜひとも欲しい機能ではありません。

重病による一時金の対象範囲を、どこまで広くするか

上で、通院治療でがんに取り組む患者が増えていることを書きました。
このことは、がんに限らず、日本人がかかりやすい重病である七大生活習慣病(がん、心疾患、脳血管疾患、糖尿病、高血圧症、肝疾患、腎疾患)に当てはまります。

ところが、医療保険は、もともと入院費用の保障がメインです。通院費用の保障は得意ではありません。
というか、保険会社からすると、治療に不可欠な通院と、気休めの通院との区別ができません。そのために、入院と同じように、通院の日数分を保障する、というのは困難です。

そのかわりに、三大疾病や七大生活習慣病になったときに、まとまった一時金(50~300万円くらい)が出る保険・特約が提供されています。
一時金は、入院費用の不足分に当てたり、通院費用に回したり、自由に使えます。

住友生命『ドクターGO』では、特定重度生活習慣病保障特約というのが、それにあたります。

特定重度生活習慣病保障特約は、保障範囲が広い

『ドクターGO』の特定重度生活習慣病保障特約は、以下のときに一時金が出ます。
参考に、それぞれの病気の患者数を、わかる範囲で併記しました。厚生労働省『患者調査』(平成26年)からの引用です。

病名 患者数
がん 129,200人
急性心筋梗塞 3,700人
脳卒中 151,400人
重度の糖尿病 1,300人
重度の高血圧性疾患 不明(少数)
慢性腎不全 131,400人
肝硬変 9,600人
重度の慢性膵炎 2,900人

上のうち、赤い文字が三大疾病、青い文字が三大疾病以外の七大生活習慣病です。

三大疾病のときに一時金が出る特約は、珍しくありません。ほとんどの医療保険で提供されています。
それに比べると、七大生活習慣病(三大疾病を含めて)で一時金が出る特約は、まだ多くはありません。

『ドクターGO』は、七大生活習慣病に加えて、慢性膵炎にまで対応しています。手厚いです。

ただし、保障される範囲が広くなるほど、保険料も高くなります。現実には、保険料とのバランスで、判断することになります。
慢性膵炎の患者数は、多くはないので、判断に迷うところです。


保険料は、カタカナ生保・損保系生保に比べると、高く設定されています。これでは保障が手厚くても・・・

住友生命『ドクターGO』の保険料をチェックします。

カタカナ生保・損保系生保に比べると、高い保険料

上でご案内したように、『ドクターGO』には、独自の仕組みがあります。他社と保険料を比べるとき、保障内容を同じにするのは難しいです。

ここでは、保障内容をできるだけ近くして、医療保険の国内売上No.1アフラックの医療保険『ちゃんと応える医療保険EVER』と、保険料を比べます。

入院給付金日額10,000円の終身保障で試算しました。保険料は毎月払いの終身払込。3つの年齢の女性の保険料です。
アフラックの方は、1入院あたり60日までと120日までの、両方の保険料を載せています。

25歳 35歳 45歳
住友生命 7,870 9,615 12,735
アフラック(120日型) 3,759 4,859 6,949
アフラック(60日型) 3,479 4,459 6,339

保障内容全体としては、住友生命の方がやや厚いものの、アフラックが勝っている部分もあり、大きな差はありません。

しかし、保険料の差は、アフラックの120日型と比べても、住友生命『ドクターGO』は2倍前後にまでなっています。意味不明なくらいに大きな差です。

住友生命『ドクターGO』に払う保険料があるなら、アフラック『ちゃんと応える医療保険EVER』に特約をたくさん付加して、とことん保障を充実させる方が、幸せになれそうです。


住友生命『ドクターGO』と比較していただきたい医療保険を、ご案内します。

住友生命『ドクターGO』をご検討中か、すでに加入されている方に、比較していただきたい商品をいくつかご案内します。

大手生保の安心を損なわないで、保険料を安くする、という方向性で、ピックアップしました。

アフラック『ちゃんと応える医療保険EVER』

アフラックは外資系ですが、日本国内の第三分野の保険(医療保険、がん保険、傷害保険)の売り上げは長らく首位を走っています。日本国内にしっかりと根付いた名門企業です。

同社の医療保険は、日本国内で最も売れています。そして、上でご覧いただいた通り、保険料は住友生命よりずっと安くなります。

短期入院、超長期入院、通院などを、まんべんなくカバーしている商品です。

東京海上日動あんしん生命『メディカルKit NEO』

損保業界の雄、東京海上ホールディングスが100%出資する、東京海上日動あんしん生命の商品です。
経営面で強力なバックがあり、なおかつカタカナ生保・損保系生保らしく保険料は割安です。

シンプルな保障内容にすれば、保険料は業界最安レベルに迫ります。一方、特約を組み合わせると、業界でもトップレベルの充実保障を実現できます。

ネオファースト生命『ネオdeいりょう』

会社としての歴史は浅いですが、伝統的な大手生保、第一生命の100%子会社です。保険ショップや金融機関向けの商品を専門にしています。

シンプルな仕組みの商品ですが、他社とは一味違う個性をいくつも持っています。
中でも目を引くのが、保障プラン設計の自由度の高さと「健康保険料率」(非喫煙+健康体の保険料割引)です。

必要最小限の保障プランに絞って、割引の適用を受けられたら、保険料は業界最安レベルになります

メディケア生命『メディフィットA』

こちらは、住友生命の100%子会社です。やはり、保険ショップや金融機関向けの商品を専門にしています。
保険料の設定は、アフラックと同等か、もっと安くなっています。

『メディフィットA』は、主契約の中に3大疾病や7大生活習慣病への対策を盛り込むなど、住友生命と手法は異なりますが、なかなか手厚い保障です。

手厚い保障内容にしては、保険料に割安感があります。候補に加えていただきたいです。


保険会社の営業職員より、主要な医療保険の見積もりを、まとめて比較できる保険ショップをお勧めします。

住友生命のような、伝統のある大手生保では、従業員である営業職員(セールスレディ)が保険商品を販売しています。

営業職員(セールスレディ)にも、知識が豊富で信頼できる人はたくさんいます。しかし、自社の商品しか販売できません。
主な商品の見積もりを見比べて、もっともニーズに合う商品を選ぶ、という当たり前の買い方ができません。

医療保険は、形がない上に、仕組みが複雑です。そんな医療保険選びを成功させるには、実際に見積もりを手に取って、見比べて検討することが、最低限必要です。

保険ショップをお勧めするのは、取り扱える商品数の多さゆえ

全国チェーンの保険ショップをお勧めする理由は、単純明快です。

お勧めできるすべての医療保険を、一つの店舗で取り扱っています。お近くの店舗に行けば、お勧めの医療保険の見積もりを、一気に比較できます。

保険ショップと一口に言っても、チェーンによって、取り扱うことのできる保険会社数は異なります。
でも、このサイトでお勧めしている医療保険を、すべてのチェーンが取り扱っています。
ということは、予約して訪問すれば、見積書を一通り入手できます。保険ショップ以外では、こうはいきません。

お近くの全国チェーンの保険ショップをご存知でしょうか。
下をクリック(タップ)すると、主な全国チェーンの保険ショップを検索し、予約の申し込みもできます。約30秒でできます。もちろん無料です。


住友生命は、国内有数の生命保険会社です。規模が大きく、安定感があります。

住友生命は、1907年(明治40年)に創立された、歴史と実績を持つ生命保険会社です。

1998年の保険の自由化以降、外資系や他業種からの参入が相次ぎ、伝統的な生命保険会社は押され気味に見えます。

しかし、生命保険は契約期間が長いこともあって、保険会社の総資産を比較すると、まだまだ伝統的な国内生保は強いです。

図は、2015年度の決算資料から作成した、総資産上位10社のグラフです。

生命保険会社、総資産上位10社のグラフ

住友生命は5位です。ただ、4位の第一生命とはやや差がついています。
とは言え、アフラックやソニー生命といった、カタカナ生保・損保系生保のトップランナーたちと比べて、その規模の差は歴然です。

ソルベンシー・マージン比率と格付け

住友生命のソルベンシー・マージン比率と格付けは、以下のようになっています。

ソルベンシー・マージン比率・・・835.4%(2016年3月)
格付け・・・A+(R&I)、A+(JCR)、A1(ムーディーズ)、A(S&P)

ソルベンシー・マージン比率は、十分に高いです。格付けも、安心できる水準にあります。


 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。