メットライフ生命『フレキシィS』は、保険料が割高です。他社と比較したうえで、判断してください。

メットライフ生命は、2017年7月より、医療保険のラインナップを刷新し、従来のフレキシィ・シリーズを、フレキシィS・シリーズに、バージョンアップしました。

シリーズのベースとなるのが、医療保険『フレキシィS』です。

カタカナ生保・損保系生保としてはやや高い保険料

『フレキシィS』になって、保障面で強化されたところはあります。
しかし、保険料の価格設定が、やや高いです。気になります。

主契約だけで(特約無しで)、他社と保険料を比べました。比較したのは、国内シェアトップのアフラック『ちゃんと応える医療保険EVER』と、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命『新・健康のお守り』です。
入院給付金日額10,000円の、女性の月払い保険料です。

30歳 40歳 50歳
メットライフ生命 3,050 3,700 4,970
アフラック 2,840 3,390 4,980
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命 2,967 3,437 4,507

『フレキシィS』は、50歳の保険料がアフラックより10円安くなりましたが、それ以外のすべてで、3社中もっとも高くなりました。

金額の差は大きくありませんが、医療保険は、一生かけ続けるかもしれません。少しの差でも、年月の経過とともに積もります。

主契約の保障内容に、他社との大きな違いはない

上の保険料比較は、3社とも主契約だけの金額でした。

『フレキシィS』は、3社中もっとも高くなりましたが、主契約の保障内容が、他社より厚ければ、納得できます。

そこで、3社の主契約を比べました。

入院給付金

医療保険の中心となる保障です。
入院1日あたりの給付金額が決められ(上の見積もりでは10,000円)、入院日数分の金額が出ます。

メットライフ生命
  • 1回の入院につき60日まで保障。
  • 通算支払限度1,095日まで保障。
アフラック
  • 1回の入院につき60日まで保障。
  • 通算支払限度1,095日まで保障。
損保ジャパン日本興亜
ひまわり生命
  • 1回の入院につき60日まで保障。
  • 通算支払限度1,000日まで保障。

損保ジャパン日本興亜ひまわり生命の、通算支払限度が、他の2社より95日短いです。
95日というのは、短い期間ではありません。ただ、1回あたりの日数に比べると、影響は小さいでしょう。

手術給付金等の一時金

メットライフ生命
  • 入院中手術は入院給付金20日分
  • 外来手術は入院給付金5日分
  • 放射線治療は入院給付金20日分
  • 骨髄ドナーは入院給付金10日分
アフラック
  • 重大手術は入院給付金40日分
  • 入院中手術は入院給付金10日分
  • 外来手術は入院給付金5日分
  • 放射線治療は入院給付金10日分
損保ジャパン日本興亜
ひまわり生命
  • 最難度の手術は入院給付金40日分
  • 難しい手術は入院給付金20日分
  • その他の入院中手術は入院給付金10日分
  • 外来手術は入院給付金5日分
  • 放射線治療は入院給付金10日分
  • 先進医療は入院給付金10日分
  • 骨髄ドナーは入院給付金20日分

やや複雑になっていますが、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命が、もっとも手厚いです。

メットライフ生命とアフラックは、それぞれ強いところ・弱いところがあって、互角でしょうか。

いずれにしても・・・

メットライフ生命の保険料は高めですが、保障内容が他社より手厚いわけではありません。

付加できる特約は、豊富に用意されています。他社より優れた特約も、複数あります。

メットライフ生命『フレキシィS』は、主契約はシンプルですが、特約は豊富に用意されています。

それらの中には、他社より充実しているものが複数あります。

『フレキシィS』の豊富な特約

特則・特約あわせて、15タイプ用意されています。他社と比べて、特約の数は多いです。

  • 短期入院定額払特則
  • 健康祝金特則
  • 先進医療給付特約
  • 終身七疾病入院延長給付特約
  • 終身女性疾病入院給付特約
  • 新終身通院給付特約
  • 新終身退院給付特約
  • 終身特定疾病一時金特約
  • 終身介護保障一時金特約
  • 終身認知症診断一時金特約
  • 三大疾病保険料払込免除特約
  • 終身死亡給付特約
  • 災害死亡給付特約
  • 定期保険特約
  • 給付金代理請求特約

この中から、他社では見かけないもの、内容に特徴があるものをピックアップして、以下に補足説明します。

短期入院定額払特則

医療技術の進歩により、入院日数は、全体的に年々短縮化されています。ところが、入院費用は減っていません。

そのため、短期間の入院では、医療保険から出る入院給付金が、不足しがちになっています。
そこで、数日間の短期の入院で、入院給付金を厚くする医療保険が増えつつあります。

現状では、5日未満の入院でも、5日分の入院給付金が出る、というのを多く見かけます。
これに対して、『フレキシィS』では、10日未満の入院に対して、10日分の入院給付金が出ます。

健康祝金特則

健康祝金特則を付加すると、5年ごとに5万円の健康祝金が出ます。
ただし、その5年の間に、継続10日分以上の入院給付金を受け取っていたら、健康給付金は出ません。

医療保険の健康祝金の仕組み

もっとも、貯蓄としての魅力は、見る角度によって異なります。具体例をご覧ください。

30歳女性が、シンプルコースに、入院給付金日額5,000円で加入するとします。
そのときの、保険料や健康祝金は、下表のようになります。

5年ごとの健康祝金 5万円
医療保険の保険料5年分 137,820円
(月々2,297円)
健康祝金の保険料5年分 39,900円
(月々665円)

医療保険の保険料全体で見ると、5年間に137,820円払い込んで、もらえる健康祝金は5万円です。まったく貯蓄になっていません。

ただし、健康祝金(健康祝金特則)だけの保険料で見ると、39,900円払い込んで、健康祝金5万円をもらえるので、かなりおトクです。
5年の積立預金に置き換えて考えると、年利8.9%という、イマドキでは素晴らしい利回りです。

つまり、医療保険に加入するついでに、有利な積立預金をする、と割り切れるなら、けっこうおトクです。

終身七疾病入院延長給付特約

入院給付金は、入院日数分の給付金が出ますが、日数に制限があります。通常は、60日までとなっています(変更は可能)。

終身七疾病入院延長給付特約を付加すると、七疾病(がん・糖尿病・心疾患・高血圧性疾患・脳血管疾患・肝疾患・腎疾患)による入院に限って、入院日数無制限の保障になります。

ほぼすべての医療保険で、同じような特約は提供されています。ただし、七つの病気すべてが日数無制限になるのは、やや珍しいです。

終身認知症診断一時金特約

認知症のイメージ図

認知症の診断が確定したら、50万円または100万円(加入するときに決めます)の一時金が出ます。

認知症は、平均の入院日数が376.5日(厚生労働省『患者調査』平成26年)というとんでもない病気です。
また、症状を軽くしたり、進行を遅らせることはできても、治すことは難しいとされています。

医療保険の入院給付金は、メットライフ生命に限らず、入院1回あたり60日までの制限があります。これでは、認知症への備えとして、まったく頼りになりません。

終身認知症診断一時金特約の一時金は、50万円または100万円なので、万全の準備とは言えないかもしれません。

しかし、認知症の診断が確定したら、一時金をもらえます。早い段階でお金を受け取ることができるので、使い勝手は良いです。


メットライフ生命『フレキシィS』と比較していただきたい医療保険です。

『フレキシィS』は、保険料がやや高いです。

保障内容や仕組み上の魅力はあるものの、保険料の高さを納得できるほど優れているかと言うと・・・微妙です。
他社もそれぞれがんばっているので、決定的な差を見出すことはできません。

というわけで、『フレキシィS』と併せて検討していだきたい商品を、ご案内します。

アフラック『ちゃんと応える医療保険EVER』

もっとも売れている医療保険です。医療保険の保障内容としては、業界標準と言えます。

5日未満の入院で、5日分の入院給付金が出ます。この短期入院に手厚い保障が、標準で組み込まれています(『フレキシィS』は特約)。
そのわりに、保険料は低く抑えられていて、割安感があります。

三大疾病無制限型長期入院特約を付加すると、三大疾病による入院は日数無制限で、その他の入院365日まで、入院給付金の保障が延長されます。
認知症など、入院が長期化しやすい病気に、ある程度まで対処できます。

アフラックも外資系ですが、日本国内の第三分野の保険(医療保険、がん保険、傷害保険)の売り上げは長らく首位を走っています。日本国内にしっかりと根付いた名門企業です。

損保ジャパン日本興亜ひまわり生命

シンプルな主契約に、豊富な特約を組み合わせることで、オーダーメイドの保険が作れる、というところは『フレキシィS』と似ています。

『新・健康のお守り』の魅力は、主契約の微調整ができるところ。
たとえば、入院給付金日額を、3,000円~20,000円の範囲で、1,000円単位で設定できます。

入院保障に関しては、入院給付金を厚くできるなら、こまごまとした特約は不要になります。

プラン設計の自由度では『フレキシィS』より上ですが、自由度が高すぎるので、保険の専門家に相談しないと、性能を活かしきれないかもしれません・・・

保険料の料金設定は良心的です。

チューリッヒ生命『終身医療保険プレミアムDX』

チューリッヒ生命『終身医療保険プレミアムDX』の強みは、保険料の安さと、一歩進んた保障内容の特約です。

ストレス性疾病延長入院特約やストレス性疾病保障付就業不能保障特約は、他社が放棄している統合失調症・うつ病などに対応しており、注目です。

また、7大疾病延長入院特約を付加すると、七大生活習慣病による入院すべてで、日数無制限の保障を受けられます。

主契約だけの、シンプルな保障内容で見積もりすると、保険料はとても安くなります。

東京海上日動あんしん生命『メディカルKit NEO』

東京海上日動あんしん生命『メディカルKit NEO』も、『フレキシィS』と同じくシンプルな主契約に多彩な特約を組み合わせるタイプです。

『メディカルKit NEO』は、特約の数は多くありませんが、一時金の特約に力を入れています。
早いタイミングで、まとまった金額の一時金が出るので、いろんなに用途に使えて便利です。

特定治療支援特約(Ⅲ型)は、七大生活習慣病から高血圧性疾患を除いた、6つの病気のときに、一時金が出ます。
5疾病就業不能特約は、七大生活習慣病から糖尿病と高血圧性疾患を除いた、5つの病気で就業不能になったときに、一時金が出ます。

なお、『メディカルKit NEO』の初期入院保障特則は、10日未満の入院で10日分の入院給付金が出ます。『フレキシィS』と同等の手厚さです。

こちらの商品も、保険料の料金設定は良心的です。


専門家に相談しながら、主要な医療保険の見積もりを実際に比較できるのは、保険ショップです。

医療保険にいったん加入したら、数十年にわたって継続する可能性があります。それだけに選択を誤ったら損害は大きくなります。納得して選んでいただきたいです。

医療保険を検討するときは、家計や公的制度や税金や医療などの知識が必要になります。専門家を使って疑問を解消しながら、おもな商品の見積もりを比較して、もっとも自分に合ったものを選びたいです。

また、保険を販売する人たち(保険会社のセールス、金融機関の窓口、保険ショップ、FP、保険代理店・・・)は、こちらの希望をはっきり表明しないと、販売手数料の高い商品を勧めてきます。
勧められるがままに加入するのではなく、見積もりを比較して、ご自分にとってベストな商品を選んでください。

保険ショップをお勧めするのは、取り扱える商品数の多さゆえ

全国チェーンの保険ショップをお勧めする理由は、単純明快です。

お勧めできるすべての医療保険を、一つの店舗で取り扱っています。お近くの店舗に行けば、お勧めの医療保険の見積もりを、一気に比較できます。

保険ショップと一口に言っても、チェーンによって、取り扱うことのできる保険会社数は異なります。
でも、このサイトでお勧めしている医療保険を、すべてのチェーンが取り扱っています。
ということは、予約して訪問すれば、見積書を一通り入手できます。保険ショップ以外では、こうはいきません。

お近くの全国チェーンの保険ショップをご存知でしょうか。
下をクリック(タップ)すると、主な全国チェーンの保険ショップを検索し、予約の申し込みもできます。約30秒でできます。もちろん無料です。


メットライフ生命は、米国最大の生保会社メットライフの日本での法人です。

メットライフ生命の歴史をさかのぼると、AIG(アメリカン・インシュアランス・カンパニー)日本支店の、1973年営業開始までたどり着きます。それなりに歴史があります。

もっとも、米国メットライフの傘下になったのは2012年とごく最近です。しかも、当初の2年間はメットライフアリコ生命という名称でした。現在のメットライフ生命になったのは2014年と、つい最近です。

そういう経緯なので、日本国内での事業規模はけっこう大きいのですが(総資産はソニー生命や三井生命より上)、個人向けの保険会社としての知名度はまだまだかもしれません。

地力は高そうなので、今後に期待できる生保会社の一つです。

ソルベンシー・マージン比率と格付け

メットライフ生命のソルベンシー・マージン比率と格付けは、以下のようになっています。

ソルベンシー・マージン比率・・・854.5%(2017年6月)
格付け・・・AA-(スタンダード&プアーズ)

ソルベンシー・マージン比率は、十分に高いレベルです。格付けも、安心できる水準にあります。


 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。