明治安田生命『メディカルスタイル F』の特徴を、ポイントを絞ってまとめました。

明治時代に設立された明治生命と安田生命が合併して、明治安田生命ができました。伝統と実績を誇る生命保険会社です。

保険料の安いカタカナ生保・損保系生保に押されつつあるとはいえ、会社の規模を表す総資産でも、単年度の売上高でも、いまだに大きな存在です。

そんな明治安田生命の医療保険、『メディカルスタイル F』のことを、ポイントを絞ってチェックします。

明治安田生命のパンフレットやWebサイトでは、次のことを『メディカルスタイル F』の特徴としています(表現は、そのまんま引用しています)。

  • 充実した保障を組み合わせることができます。
  • 公的医療保険制度と連動して、医療費の自己負担をしっかりサポートします。また、8つの重い病気になったときの療養費(治療+休養)を幅広くサポートします。
  • 医療環境やライフサイクルの変化にあわせて、保障内容をメンテナンスできます。

この3項目を念頭に置きつつ、『メディカルスタイル F』の仕組みや保険料をチェックします。

なお、持病・既往症がある方々向けには、別の医療保険が用意されています。『かんたん告知医療保険』で、ご案内しています。


保障は充実しています。ただし、他社より優れている、というほどではありません。

『メディカルスタイル F』は、特約を組み合わせて、必要な保障を組み立てる仕組みになっています。
以下の特約の中から、必要なものを選んで組み合わせることができます。

  • 新・入院特約
  • 終身入院特約
  • 入院治療保障特約
  • 入院時手術保障特約
  • 外来時手術保障特約
  • 退院後通院治療保障特約
  • 退院給付特約
  • 先進医療保障特約
  • がん保障特約
  • がん・上皮内新生物保障特約
  • 重度疾病継続保障特約

機能の点で、目立って個性的な特約は、見当たりません。とはいえ、細部に目をやると、明治安田生命独自の工夫が見られます。
目立つ特長としては、以下があります。

  • 入院治療保障特約退院後通院治療保障特約は、保険から出る給付金の額が、健康保険などの公的医療保険の自己負担割合に連動している。
  • 入院給付金は、1入院あたり180日までの保障になっている(他社は60日か120日が多い)。
  • 重病で一時金が出る重度疾病継続保障特約は、慢性膵すい炎も、七大生活習慣病と同等に保障してくれる。

合理的ではあるけれど、メリットを実感できるか?

一般的な医療保険では、入院給付金にせよ、通院給付金にせよ、給付の金額は、以下のように決まります。

1日分の給付額
(加入時に決まる)
×
日数(入院or通院)
=
給付金額

『メディカルスタイル F』でも、基本の仕組みは同じです。このやり方は、医療保険から出る金額が分かりやすい、というメリットがあります。
その反面、医療保険から出る金額と、実際にかかった治療費との間に、齟齬(そご)が生まれてしまいます。お金が余るならともかく、足りなくなるのは心配です。

それへの対策として、『メディカルスタイル F』に入院治療保障特約や退院後通院治療保障特約を付けることで、給付金の金額を、健康保険などの公的医療保険の自己負担割合に連動させることができます。

とても合理的ですが、この特約のために『メディカルスタイル F』に契約したくなる、というほどではありません。

というのは、入院給付金の日額を10,000円にしておけば、給付金が足りなくなる心配はほとんどないからです。むしろ、余る可能性が高いです。そして、余ったお金は、退院後の通院費用とか、いろいろ使い道はあります。

入院給付金は、全員に180日必要というわけではない

医療保険では、入院1回あたりの保障日数が制限されています。60日まで、というのが多数派です。そして、希望者は120日まで延ばすことができます。
延ばすと、保険料が少しだけ上がります。

それと比べると、『メディカルスタイル F』は、180日までの保障が標準仕様なので、手厚いと言えます。ただ、その分保険料も高くなっているはずです。

下の図は、厚生労働省『患者調査』(平成26年)から、あらゆる病気・入院の入院日数の割合を表した円グラフです。

あらゆる病気・入院の入院日数の割合のグラフ

60日以内に92.4%、120日以内に97.3%が収まっています。そして、60日を超えると、日数を延ばしても%は少ししか増えません。
多くの医療保険が、60日とか120日と設定していることには、ちゃんとした根拠があります。

もちろん、『メディカルスタイル F』のように、180日にした方が、カバーできる%は増えます。しかし、100%に届くわけではなく、ちょっと中途半端です。

180日がムダなわけではありませんが、加入者全員を180日の保障にする必要はないと思います。加入者それぞれが、60日にするか、180日にするか、365日にするかを、選べる方が便利です(他社に、そういう商品があります)。

重病のときに出る一時金が、他社より手厚い

七大生活習慣病(がん、心疾患、脳血管疾患、糖尿病、高血圧症、肝疾患、腎疾患)は、日本人がかかりやすい重病だけに、医療技術の進歩は速いです。
現在では、これらの病気に通院で取り組む患者数が多くなっています。

通院の保障には、2つのタイプがある

医療保険は、もともと入院費用の保障がメインです。そのことは現在も同じです。
ただ、医療の進歩により、重病を通院治療する患者が増えています。それに合わせて、通院費用の保障が拡大しつつあります。

ただし、カゼや歯痛のような通院まで保障範囲に含めてしまうと、保険料が高くなりすぎてしまいます。
また、治療に不可欠な通院と、気休めの通院との区別が難しいというか、不可能です。

それで、現時点では、以下のタイプの通院保障が主流になっています。

  • 入院前後または入院後の、一定期間内の通院のみ保障する。
  • 症状や治療法を限定して保障する。

『メディカルスタイル F』では、両方のタイプの特約が用意されています。
そのうち、所定の症状や治療法に当てはまったときに一時金が出る特約(=重度疾病継続保障特約)が、『メディカルスタイル F』の特長の一つになっています。

重度疾病継続保障特約は、保障範囲がちょっぴり広い

『メディカルスタイル F』の、 がん保障特約(またはがん・上皮内新生物保障特約)と重度疾病継続保障特約を組み合わせると、所定の症状や治療法に当てはまったときに一時金が出る保障としては、かなり強力になります。

がん保障特約と重度疾病継続保障特約を組み合わせると、以下のときに一時金が出ます。
参考に、それぞれの病気の患者数を、わかる範囲で併記しました。厚生労働省『患者調査』(平成26年)からの引用です。

病名 患者数
がん 129,200人
急性心筋梗塞 3,700人
脳卒中 151,400人
重度の糖尿病 1,300人
重度の高血圧性疾患 不明(少数)
慢性腎不全 131,400人
肝硬変 9,600人
重度の慢性膵炎 2,900人

上のうち、赤い文字が三大疾病、青い文字が三大疾病以外の七大生活習慣病です。

三大疾病のときに一時金が出る特約は、珍しくありません。ほとんどの医療保険で提供されています。
それに比べると、七大生活習慣病(三大疾病を含めて)で一時金が出る特約は、まだ多くはありません。

『メディカルスタイル F』は、 七大生活習慣病に加えて、慢性膵炎にまで対応しています。手厚いです。

ただし、保障される範囲が広くなるほど、保険料も高くなります。現実には、保険料とのバランスで、判断することになります。
慢性膵炎の患者数は、多くはないので、判断に迷うところです。


保険料は、カタカナ生保・損保系生保に比べると、高く設定されています。しかも、更新のたびに値上がりします。

明治安田生命『メディカルスタイル F』の保険料をチェックします。

カタカナ生保・損保系生保に比べると、高い保険料

上でご案内したように、『メディカルスタイル F』には、独自の仕組みがあります。他社と保険料を比べるとき、保障内容を同じにするのは難しいです。

今回は、『メディカルスタイル F』と仕組みは違うものの、健康保険など公的医療保険制度に連動する、ネオファースト生命の医療保険『ネオdeいりょう』と、保険料を比べます。

ネオファースト生命は、知名度はまだまだですが、第一生命が100%出資しています。保険ショップや金融機関向けに保険を提供する生命保険会社です。

入院給付金日額5,000円の終身保障で試算しました。保険料は毎月払いで、65歳払い済み。3つの年齢の女性の保険料です。

25歳 35歳 45歳
明治安田生命 5,478 6,677 9,278
ネオファースト生命 3,865 4,845 7,146

ネオファースト生命は大手生保の子会社ですが、保険ショップや金融機関向けに商品を供給しているので、カタカナ生保・損保系生保と同レベルの価格です。

これと比べると、明治安田生命の保険料は、高めの設定になっています。

『メディカルスタイル F』は、更新型の保障がメイン

加入後の保険料も気になります。
更新型の特約が組み込まれていると、更新のたびに、保険料は上がっていきます。

『メディカルスタイル F』の特約の中に、更新型がどのくらい含まれているかを、チェックしましょう。

特約 更新の有無
新・入院特約 更新型
終身入院特約 更新無し
入院治療保障特約 更新型
入院時手術保障特約 更新型
外来時手術保障特約 更新型
退院後通院治療保障特約 更新型
退院給付特約 更新型
先進医療保障特約 更新型
がん保障特約 更新型
がん・上皮内新生物保障特約 更新型
重度疾病継続保障特約 更新型

ご覧のように、ほとんどの特約が更新タイプです。10年ごとに更新を迎えると、保険料は値上がりします。

明治安田生命のお勧めプランに25歳で加入するとして、10年ごとの更新後の保険料を下表にまとめました。

年齢 月々の保険料
25歳 3,868円
35歳 4,212円
45歳 5,183円
55歳 7,800円
65歳 12,952円

更新毎に保険料は確実に上がっていきます。ただし、40歳くらいまでは、上がり方は緩やかです。心配になるのは、40歳以降です。

明治安田生命は、更新型のメリットとして、保障の見直しが効率的にできることをあげています。
それはまちがいではありません。ただし、そんなのんきなことを言っていられるのは若いうちだけ。 老後の保険料まで考えたら、医療保険の更新型は、つらいものがあります。


明治安田生命『メディカルスタイル F』と比較していただきたい医療保険を、ご案内します。

明治安田生命『メディカルスタイル F』をご検討中か、すでに加入されている方に、比較していただきたい商品をいくつかご案内します。

大手生保の安心を損なわないで、保険料を安くする、という方向性で、ピックアップしました。

アフラック『ちゃんと応える医療保険EVER』

アフラックは外資系ですが、日本国内の第三分野の保険(医療保険、がん保険、傷害保険)の売り上げは長らく首位を走っています。日本国内にしっかりと根付いた名門企業です。

同社の医療保険は、日本国内で最も売れています。医療保険の保障内容としては、業界標準と言えます。

短期入院、超長期入院、通院などを、まんべんなくカバーしている商品です。

東京海上日動あんしん生命『メディカルKit NEO』

損保業界の雄、東京海上ホールディングスが100%出資する、東京海上日動あんしん生命の商品です。
経営面で強力なバックがあり、なおかつカタカナ生保・損保系生保らしく保険料は割安です。

シンプルな保障内容にすれば、保険料は業界最安レベルに迫ります。一方、特約を組み合わせると、業界でもトップレベルの充実保障を実現できます。

ネオファースト生命『ネオdeいりょう』

会社としての歴史は浅いですが、伝統的な大手生保、第一生命の100%子会社です。保険ショップや金融機関向けの商品を専門にしています。

シンプルな仕組みの商品ですが、他社とは一味違う個性をいくつも持っています。
中でも目を引くのが、保障プラン設計の自由度の高さと「健康保険料率」(非喫煙+健康体の保険料割引)です。

必要最小限の保障プランに絞って、割引の適用を受けられたら、保険料は業界最安レベルになります

メディケア生命『メディフィットA』

こちらは、伝統的な大手生保、住友生命の100%子会社です。やはり、保険ショップや金融機関向けの商品を専門にしています。

『メディフィットA』は、主契約の中に3大疾病や7大生活習慣病への対策を盛り込むなど、手厚い保障が特徴です。

手厚い保障内容にしては、保険料に割安感があります。商品内容がニーズに合うなら、候補に加えていただきたいです。


保険会社の営業職員より、主要な医療保険の見積もりを、まとめて比較できる保険ショップをお勧めします。

明治安田生命のような、伝統のある大手生保では、従業員である営業職員(セールスレディ)が保険商品を販売しています。

営業職員(セールスレディ)にも、知識が豊富で信頼できる人はたくさんいます。しかし、自社の商品しか販売できません。
主な商品の見積もりを見比べて、もっともニーズに合う商品を選ぶ、という当たり前の買い方ができません。

医療保険は、形がない上に、仕組みが複雑です。そんな医療保険選びを成功させるには、実際に見積もりを手に取って、見比べて検討することが、最低限必要です。

保険ショップをお勧めするのは、取り扱える商品数の多さゆえ

全国チェーンの保険ショップをお勧めする理由は、単純明快です。

お勧めできるすべての医療保険を、一つの店舗で取り扱っています。お近くの店舗に行けば、お勧めの医療保険の見積もりを、一気に比較できます。

保険ショップと一口に言っても、チェーンによって、取り扱うことのできる保険会社数は異なります。
でも、このサイトでお勧めしている医療保険を、すべてのチェーンが取り扱っています。
ということは、予約して訪問すれば、見積書を一通り入手できます。保険ショップ以外では、こうはいきません。

お近くの全国チェーンの保険ショップをご存知でしょうか。
下をクリック(タップ)すると、主な全国チェーンの保険ショップを検索し、予約の申し込みもできます。約30秒でできます。もちろん無料です。


明治安田生命は、国内有数の生命保険会社です。規模が大きく、安定感があります。

明治安田生命は、2004年(平成16年)に、明治生命と安田生命が合併して誕生しました。
明治生命は1881年(明治14年)、安田生命は1880年(明治13年)に創立された、歴史と実績を持つ生命保険会社でした。

1998年の保険の自由化以降、外資系や他業種からの参入が相次ぎ、伝統的な生命保険会社は押され気味に見えます。

しかし、生命保険は契約期間が長いこともあって、保険会社の総資産を比較すると、まだまだ伝統的な国内生保は強いです。

図は、2015年度の決算資料から作成した、総資産上位10社のグラフです。

生命保険会社、総資産上位10社のグラフ

明治安田生命は3位です。ただ、4位の第一生命との差はわずか。安泰とは言えません。
とは言え、アフラックやソニー生命といった、カタカナ生保・損保系生保のトップランナーたちと比べて、その規模の差は歴然です。

ソルベンシー・マージン比率と格付け

明治安田生命のソルベンシー・マージン比率と格付けは、以下のようになっています。

ソルベンシー・マージン比率・・・883.5%(2016年9月)
格付け・・・AA-(R&I)、A(S&P)

ソルベンシー・マージン比率は、十分に高いです。格付けも、安心できる水準にあります。


 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。