都道府県民共済『生命共済』は、ご自宅か職場のある地域の生活協同組合を通じて、加入できます。

都道府県民共済は、厚生労働省の認可を受けて、組合員向けに保障を提供している、協同組合です。

共済という言葉は、「互いに助け合う」という意味です。厳密には、保険とは異なる仕組みです。ただし、実際には、保険とほぼ同じように利用できます。

都道府県民共済に入るには、まず組合員になる

都道府県民共済のサービスを利用するには、都道府県生協の組合員になる必要があります。

各都道府県に都道府県民生協があり、全国生活協同組合連合会(全国生協連)が全体を取りまとめています。
ただし、都道府県民生協があるのは39の都道府県なので、8県では県民共済に入れません。

県民共済に入れないのは、山梨県、福井県、鳥取県、徳島県、愛媛県、高知県、佐賀県、沖縄県の8県です。
これらの県にお住まいだと、もっとも、職場がこれ以外の都道府県にあれば、そこの共済に入ることはできます。

必要書類を提出して、出資金(都道府県により異なります)を支払えば、組合員になることができます。
ちなみに、脱退すると、出資金はもどってきます。

各地の都道府県民共済で、保障内容はほぼ同じ

各地の都道府県民生協が、自分たちの商品として『生命共済』販売しています。しかし、彼らは窓口で、実際に運営しているのは全国生協連です。
つまり、全国規模の共済事業として、運営されています。

よって、どの都道府県で加入しても、保障の基本の仕組みは共通しています。
だからこそ、他の都道府県に転居しても、転居先の組合に契約を移して、続けることができます。

ただし、保障の細かい部分については、都道府県によって異なることがあります。

共済と保険の言葉づかいの違い

生保会社の医療保険と、保障の仕組みは似通っていますが、言葉づかいがときどき異なります。

都道府県民共済の、重要な言葉づかいを確認しておきましょう。

保険での言葉づかい 共済での言葉づかい
保険 共済
保険料 掛金
保険金 共済金
配当金 割りもどし金

都道府県民共済『生命共済』は、掛金は安くて一定だけど、保障は年齢とともにどんどん薄くなります。

都道府県民共済の商品のうち、生保会社の医療保険にあたるのが、『生命共済』の「入院保障型」と「熟年入院型」の2つです。

といっても、この2つの商品は、どちらかを選んで加入する、という関係ではありません。

満64歳までの人が入れるのは「入院保障型」、それより年上の人なら「熟年入院型」になります。

「入院保障型」に入っていて、65歳になると、自動的に「熟年入院型」に移行する仕組みになっています。
つまり、この2つの共済商品が連動して、生涯の医療保障を担ってくれます。

最大の魅力は月掛金2千円

『生命共済』の最大の魅力は、月掛金が2千円一律であること。年齢、性別の区別ありません。
安いからと言って、スカスカの保障、というわけではありません。保障の内訳は以下の通りです。

  • 入院給付(事故入院184日まで、病気入院で124日まで)
  • 通院給付(事故のみ14~90日まで)
  • 手術を受けたときの一時金
  • 先進医療を受けたときの一時金
  • 死亡・重度障害での一時金

月々2千円の保障としては、とても充実しています。
さらに、掛金に上乗せして、特約を付加することもできます。以下のような特約が用意されています。

  • 医療特約(入院、手術、先進医療で、一時金)
  • 新がん特約
  • 新三大疾病特約
  • 介護特約

生保会社の医療保険と比べて、品ぞろえは少ないですが、最低限のものは用意されています。

60歳から保障が先細りをはじめ、85歳で消滅

ただし、良いことばかりではありません。

掛金は一定ですが、保障はだんだん下がって、85歳になると消滅してしまいます。

都道府県民共済のしくみ(イメージ)

掛金が一定というのは、ウソではありませんが、サービス内容がだんだん質素になっていくわけですから、実質的には値上がりしている、と言えるかもしれません。

60歳では、入院1日あたり10,000円もらえますが、65歳では1日5,000円に半減してしまいます。
どちらも掛金は同じですから、65歳で実質倍増することになります。

85歳以降、医療保障が無くなってしまう

『生命共済』の医療保障は、上の仕組みの図の通り、85歳で消滅してしまいます。

2015年の日本人の平均寿命は、男性が80.79歳 、女性が87.05歳でした。
つまり、女性の過半数と、男性の一部は、人生の最後の数年間、医療保障が無くなってしまいます。

かなり不安になります。

老後の医療保障がドンドン薄くなる

現在の、健康保険などの公的医療保険制度では、70歳と75歳のときに、わたしたちの自己負担は軽くなります。
それを考えると、だんだん保障が薄くなるのは、それなりに意味があるように思えるかもしれません。

しかし、その一方で、入院する危険性は、年齢とともに飛躍的に高くなります。
下のグラフは、各年代別に、国民のうちの入院患者の割合を表しています。厚生労働省『患者調査』(平成26年)と『人口動態調査』(平成26年)をもとに、作成しました。

年代別の入院する確率

入院費用の自己負担が低くなっても、入院の頻度が多くなれば、負担する金額そのものは、老後の方が増えるかもしれません。
また、今後、健康保険制度が見直されて、自己負担が増える恐れがあります。


保障が勝手に減少して、
85歳で消滅することに、
危険を感じます。

『生命共済』の「熟年入院型」は、ほとんどの人にお勧めできません。ということは、「入院保障型」もお勧めしにくいです。

都道府県共済の『生命共済』には、「入院保障型」と「熟年入院型」の2つがありました。
このうち、上で説明した不安は、「熟年入院型」に集中しています。

「熟年入院型」をお勧めできるのは一部の人

「熟年入院型」をお勧めできるは、以下のような条件に当てはまる人たちです。

  • すでに医療保障はあるけれど、上乗せで、安くて手軽な共済に入る。
  • 老後の預貯金に余裕があるので、保障が縮小したり、消滅しても、問題ない。共済は気休めに入る。

これ以外の人たちは、「熟年入院型」に入ると、後悔する恐れがあります。

正直なところ、「熟年入院型」は、掛金を安くするために、無茶をしている、と言わざるを得ません。

「入院保障型」は魅力的だが、後が心配

満64歳までの人が対象の「入院保障型」には、「熟年入院型」のような深刻な問題点はありません。

ただし、「入院保障型」の保障は65歳までです。それ以降も保障が必要な人は、「熟年入院型」以外の方法を探さなければなりません。

65歳になって、他の医療保険や医療共済に切り換えることには、リスクがあります。健康状態や既往症のために、加入を断られるかもしれませんし、保険料や掛金が高くなりすぎるかもしれません。

だったら、初めに「入院保障型」に入るよりも、一生保障してくれる保険商品を選んだ方が安心できます。

ということで、「入院保障型」をお勧めできるのは、65歳までの、安くて手軽な医療保障をお求めの人に、限られそうです。
ということは、

『生命共済』を勧められるのは、
老後の保障を重視しない人、
に限られます。

都道府県民共済『生命共済』と、比較していただきたい医療保険を、ご案内します。

都道府県民共済『生命共済』は、悪く言うと、保障を犠牲にしてまで、掛金を安くしています。

生涯の医療費用をしっかりとカバーできる保険商品に切り換えたら、保険料(掛金)は、『生命共済』より高くなる可能性が高いです。

そこで・・・

入院給付金日額5,000円のプラン

都道府県民共済『生命共済』は、一応、入院したら1日あたり10,000円をもらえることになっています。
しかしそれは、60歳までのことです。入院の機会が増える60歳以降は、10,000円よりどんどん下がります。

たとえば、病気入院したときの日額は、以下のように減っていきます(「入院保障型」⇒「熟年入院型」と自動更新する場合)。

年齢 入院1日あたり
~60歳 10,000円
60~65歳 7,500円
65~70歳 5,000円
70~80歳 3,500円
80~85歳 2,000円
85歳~ 0円

老後の医療保障に着目すると、1日あたり5,000円もらえる医療保険より、『生命共済』の方が薄く見えます。

そこで、入院日額5,000円がもらえて、安心できて、保険料の安い医療保険を探しました。

東京海上日動あんしん生命『メディカルKit NEO』

損保業界の雄、東京海上ホールディングスが100%出資する、東京海上日動あんしん生命の商品です。
経営面で強力なバックがあり、なおかつ保険料はなかなか割安です。

シンプルな保障内容にすれば、保険料は業界上位の安さ。一方、特約を組み合わせると、業界でもトップレベルの充実保障を実現できます。

以下は保険料例です。入院日額5,000円の医療保障が生涯続きます。保険料は終身払込の月払いです。

加入年齢 男性 女性
30歳 1,409円 1,469円
40歳 1,914円 1,669円
50歳 2,734円 2,234円
60歳 4,024円 3,239円

50歳になると、月々の保険料は、都道府県共済の2千円を超えます。それでも、生涯日額5,000円の保障にグレードアップするので、許容範囲ではないでしょうか?

FWD富士生命『さいふにやさしい医療保険』

とことんシンプルな保障に、安い保険料という組み合わせで、真っ向から競合するのがFWD富士生命です。
主契約は入院給付金だけというシンプルさです。

なお、FWD富士生命は、以前のAIG富士生命です。AIGグループからAIGグループにと譲渡され、2017年に社名が変わりました。

以下は保険料例(月額)です。入院日額5,000円の医療保障が生涯続きます。保険料は終身払込の月払いです。

加入年齢 男性 女性
30歳 1,370円 1,315円
40歳 1,835円 1,620円
50歳 2,625円 2,235円
60歳 3,835円 3,295円

こちらの金額も、上の東京海上日動あんしん生命と同じような傾向になりました。

ネオファースト生命『ネオdeいりょう』

会社としての歴史は浅いですが、伝統的な大手生保、第一生命の100%子会社です。保険ショップや金融機関向けの商品を専門にしています。

シンプルな仕組みの商品ですが、他社とは一味違う個性をいくつも持っています。
中でも目を引くのが、保障プラン設計の自由度の高さと「健康保険料率」(非喫煙+健康体の保険料割引)です。

必要最小限の保障プランに絞って、割引の適用を受けられたら、保険料は業界最安レベルになります

積極的に販売ルートを広げており、たいていの保険ショップや、一部の金融機関で取り扱っています。

以下は保険料例(月額)です。入院日額5,000円の医療保障が生涯続きます。非喫煙者の保険料で、終身払込の月払いです。

加入年齢 男性 女性
30歳 1,117円 1,297円
40歳 1,540円 1,530円
50歳 2,192円 2,057円
60歳 3,100円 2,875円

ご覧のように、保険料は安価です。しかし、もっと安くできます。

というのは、上の保険料は、他社の標準的な保障内容に近づけて見積もりしました。『ネオdeいりょう』だと、他社より保障を薄くできるので、保険料はもっと安くなります。


専門家に相談しながら、主要な医療保険の見積もりを実際に比較できるのは、保険ショップです。

医療保険にいったん加入したら、数十年にわたって継続する可能性があります。それだけに選択を誤ったら損害は大きくなります。納得して選んでいただきたいです。

医療保険を検討するときは、家計や公的制度や税金や医療などの知識が必要になります。専門家を使って疑問を解消しながら、おもな商品の見積もりを比較して、もっとも自分に合ったものを選びたいです。

また、保険を販売する人たち(保険会社のセールス、金融機関の窓口、保険ショップ、FP、保険代理店・・・)は、こちらの希望をはっきり表明しないと、販売手数料の高い商品を勧めてきます。
勧められるがままに加入するのではなく、見積もりを比較して、ご自分にとってベストな商品を選んでください。

保険ショップをお勧めするのは、取り扱える商品数の多さゆえ

全国チェーンの保険ショップをお勧めする理由は、単純明快です。

お勧めできるすべての医療保険を、一つの店舗で取り扱っています。お近くの店舗に行けば、お勧めの医療保険の見積もりを、一気に比較できます。

保険ショップと一口に言っても、チェーンによって、取り扱うことのできる保険会社数は異なります。
でも、このサイトでお勧めしている医療保険を、すべてのチェーンが取り扱っています。
ということは、予約して訪問すれば、見積書を一通り入手できます。保険ショップ以外では、こうはいきません。

お近くの全国チェーンの保険ショップをご存知でしょうか。
下をクリック(タップ)すると、主な全国チェーンの保険ショップを検索し、予約の申し込みもできます。約30秒でできます。もちろん無料です。


都道府県民共済の規模は、中堅クラスの保険会社と同じくらいで、経営の健全性は高いです。

全国生活協同組合連合会(全国生協連)のルーツは、昭和46年(1971年)に創立された首都圏生活協同組合連合会です。

10年後の昭和56年(1981年)に全国展開し、翌年から生命共済の販売を開始しました。

保険会社と同じ土俵では評価できない

全国生協連の総資産は、平成27年度末で、7,462億円です。成り立ちの違う保険会社と比べるは無理がありますが、かんぽ生命が81.5兆円、日本生命が63.5兆円ですから、資産規模はかなり見劣りします。

また、JA共済や全労済は、ソルベンシー・マージン比率を公表していますが、全国生協連は公表していません。

共済には、企業格付けもありません。保険会社と同じ土俵で、経営健全性を評価しにくいです。

都道府県民共済の商品ラインナップ

都道府県民共済では、人のための共済(保険)のことを『生命共済』と総称しています。

『生命共済』の中にいくつかの"型"があります。"型"の一つ一つが、保険会社の商品に当てはまります。
大きく死亡保障と入院保障にわけられます。

対象年齢 死亡保障 入院保障
こども型 0~17歳
総合保障型 18~64歳
入院保障型 18~64歳
総合保障型+入院保障型 18~64歳
熟年型 65~69歳
熟年入院型 65~69歳
熟年型+熟年入院型 65~69歳

この他に、損害保険会社の火災保険、地震保険に相当する、『新型火災共済』を販売しています。


 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。