『メディカルKit ラヴ』は、持病など健康に不安がある人のための医療保険です。

健康なうちは、保険の必要性を感じなかったかもしれません。 それが、健康に不安を覚えるようになって、保険のことが気になり始める、ということがあります。

検討に先立って、いろいろ心配になると思います。

  • 自分の健康状態で保険に加入できるのか?
  • 加入できるとして、保険料はいくらぐらいになるのか?
  • 保障にいろいろ制限があるのではないか?

などなど心配になってしまうかもしれません。

多くの保険会社が、引受基準緩和型医療保険を販売

そんな人たちのために、多くの保険会社が、引受基準緩和型医療保険を販売しています。

持病や既往症(今は治っているが、以前重い病気にかかった)がある人向けに、加入の基準が緩和された医療保険です。

ただし、一般の医療保険より、保険料は高めになっています。保険会社にとっては、給付金を支払う危険性が高くなるので、保険料を高くするのは仕方がありません。

気がかりなのは、わたしたちにメリットがあるのか?ということです。

東京海上グループ、東京海上日動あんしん生命の引受基準緩和型医療保険

東京海上日動あんしん生命は、会社名からわかるように、損保業界のトップ企業、東京海上日動の系列会社です。

1996年設立の若い会社ですが、急速に力をつけて、売上の規模では、今や大手に迫っています。

下表は、2016年度の新規売上高(新契約年換算保険料)の上位10社です。

かんぽ生命 5,079憶
日本生命 2,349憶
明治安田生命 1,276憶
住友生命 1,207憶
東京海上日動あんしん生命 1,166憶
第一生命 980憶
メットライフ生命 973憶
大同生命 918憶
アフラック 885憶
プルデンシャル生命 850憶

東京海上日動あんしん生命は、伝統的な国内大手、明治安田生命、住友生命、第一生命と肩を並べるところまで来ています。

そんな同社の引受基準緩和型医療保険が、『メディカルKit ラヴ』です。

この商品は頼りにできる医療保険なのか?
申込条件、保障内容、保険料を、以下でチェックしていきます。


『メディカルKit ラヴ』には、誰でも入れるわけではありません。申込できる条件は、他社より厳しいです。

『メディカルKit ラヴ』は、加入を認める条件を緩和していますが、無条件にしているわけではありません。

というか、加入の条件はわりと細かく指定されています。

『メディカルKit ラヴ』に申し込める条件

『メディカルKit ラヴ』に申し込める条件は以下です。加入できる条件ではなく、申込できる条件です。

最近3か月以内に入院・手術を受けるか、入院・手術・検査を勧められていない

検査を勧められたとは、健康診断・人間ドック・がん検診をうけた結果、再検査・精密検査を勧められたことです。

ただし、検査で「異常なし」と判定されたときは、この条件にひっかかりません。

2年以内に、次の病気で入院したことが無い

  • 糖尿病
  • 心筋梗塞
  • 狭心症
  • 不整脈(心房細動を含む)
  • 脳卒中(くも膜下出血、脳出血、脳梗塞)
  • 気管支ぜんそく
  • かいよう性大腸炎
  • クローン病
  • 全身性エリテマトーデス
  • 関節リウマチ
  • 多発性筋炎
  • 皮膚筋炎
  • 強皮症
  • 結節性多発動脈炎
  • うつ病
  • 神経症
  • パニック障害
  • 不眠症

病気の数は多く見えますが、他社商品でもこのくらいあります。

5年以内に、次の病気で医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことが無い

  • がん(上皮内がんを含む)
  • 糖尿病の合併症(網膜症・眼底出血、腎症、下腿皮膚かいよう・えそ)
  • うつ病、神経症、パニック障害、不眠症を除く、精神の病気や異常(そう病、そううつ病、統合失調症など)
  • アルツハイマー病
  • パーキンソン病
  • 多発性硬化症
  • 筋強直症候群
  • 先天性ミオパチー
  • 筋ジストロフィー
  • 心筋症
  • 心臓弁膜症
  • 動脈りゅう
  • 動脈の先天奇形
  • もやもや病
  • 肺気腫
  • 肺線維症
  • 慢性気管支炎
  • 間質性肺炎
  • 慢性肝炎
  • 肝硬変
  • 慢性膵炎
  • 慢性腎炎
  • 慢性腎不全
  • 免疫不全症

5年以内の病気の数は、他社と比べて多いです。

他社の同じタイプの医療保険と比べて、申し込みの条件は厳しいです。

主契約の保障は標準的だけど、特約は乏しい

『メディカルKit ラヴ』の保障内容を、同社の一般向けの商品『メディカルKit NEO』と比較しました。

下線が、保障の違うところです。

入院給付金額
NEO 5,000円または10,000円
ラヴ 上と同じ。ただし、加入後1年以内は半額
10日未満の入院
NEO 10日分の入院給付金
ラヴ 日数分の入院給付金
手術給付金
NEO 手術の種類により入院給付金日額の40~5倍
ラヴ 入院中の手術は入院給付金日額の10倍、通院は5倍加入後1年以内は半額
放射線治療給付金
NEO 入院給付金日額の10倍
ラヴ 上と同じ。ただし、加入後1年以内は半額
特約の数
NEO 13個
ラヴ 2個

主契約に関しては、『メディカルKit NEO』が手厚くしている部分を、並みレベルにグレードダウンしている、という印象です。
よって、『メディカルKit ラヴ』の保障が、手薄ということはありません。

ただし、特約の数と種類は限られています。『メディカルKit ラヴ』に付加できるのは、以下の2つの特約です。

  • 先進医療特約
  • がん入院支払日数無制限特約

三大疾病や七大生活習慣病に備える手段は、提供されていません。この点は、物足りなく感じられます。

『メディカルKit ラヴ』は、三大疾病や七大生活習慣病への対応では、他社より劣ります。

ただし、入院給付金日額10,000円にすれば、三大疾病や七大生活習慣病にも幅広く対応できます。


保険料はそれなりに高くなります。保険に入るのが損か得かを、納得して決めてください。

引受基準緩和型の医療保険は、確実に保険料が高くなります。『メディカルKit ラヴ』の場合は、どの程度高くなるのでしょう。

東京海上日動あんしん生命の、一般的な医療保険との保険料比較

『メディカルKit ラヴ』の保険料を、同社の一般タイプの医療保険『メディカルKit NEO』と比べました。

入院給付金10,000円、1入院あたり60日までの保障、通院保障付加での、女性の月々の保険料です。
『メディカルKit ラヴ』は主契約のみ、『メディカルKit NEO』は主契約+(初期入院保障特則、3大疾病入院支払日数無制限特約、先進医療特約)の金額です。

NEO ラヴ
40歳 4,454円 6,760円
50歳 6,024円 8,500円
60歳 8,794円 11,330円

『メディカルKit NEO』の方が、保障内容は厚いですが、保険料は、『メディカルKit ラヴ』の方が、あきらかに高額です。

他社の引受緩和型医療保険との、保険料比較

続いて、他社の引受緩和型医療保険と、保険料を比較します。
入院給付金日額10,000円、終身払込で、女性のシンプルなプランの見積もりです。

比較するのは、アフラック『ちゃんと応える医療保険やさしいEVER』とオリックス生命『新キュア・サポート』です。

加入年齢 アフラック オリックス生命 メディカルKit
ラヴ
40歳 6,910 5,926 6,760
50歳 7,960 7,216 8,500
60歳 9,880 9,176 11,330

商品ごとに、主契約の中身に違いがあります。また、申込条件も異なります(条件は甘いけど、保険料が高い・・・など)。
金額だけ見て、高いか安いかを即断しない方が良いです。

とは言え・・・

『メディカルKit ラヴ』は、申込条件が厳しく、保障が平凡なわりに、保険料は高いです。

生涯に払う保険料は、370~380万円

上の保険料で『メディカルKit ラヴ』に加入して、平均寿命の87歳まで生きたときの、保険料総額は下のようになります。

加入年齢 生涯の保険料総計
40歳加入 3,812,640円
50歳加入 3,774,000円
60歳加入 3,670,920円

平均寿命まで生きたとして、保険料総額は370~380万円です。この金額をどうとらえるか、というのがポイントです。

損か得かを判断するポイント

上の試算では、保険料の総額が370~380万円になりました。では、生涯にかかる入院費用が、それより多くなるかというと、微妙なところです。

生涯にかかる入院費用を基準にすると、損かも

ちなみに、70歳以上の人が、高額療養費制度を使いながら、入院費用で380万円を使うには、合計して81ヵ月(6年9ヵ月)入院しなければなりません。あり得ない数字ではありませんが、けっこう長いです。

ちなみに、厚生労働省『医療保険に関する基礎資料』(平成26年度)によると、40歳前後の将来の入院費用推計は150万円くらいです。

単純に確率で考えると、生涯の入院費用が、380万円を超える可能性は、高くはないでしょう。

今、手元に資金が無ければ、保険は頼りになる

たとえ、保険料が高くつくとしても、今現在、手元に入院費用に回せる余裕資金が無いなら、医療保険を検討する意味はあります。

医療保険なら、いつ入院しても、約束された入院給付金や手術給付金が出ます。しかし、預貯金だと、そのときに貯まっている分しか使えません。

預貯金が増えるには、時間がかかります。その間に入院することになるかもしれません。

いつ入院して、どのくらいの費用がかかるかは、そのときにならないと分かりません。当面、預貯金に余裕がないなら、保険は頼りになります。

最終的な判断は、それぞれの世帯のお金の状況や、どんな不安をお持ちかによって、変わります。


『メディカルKit ラヴ』と比較していただきたい医療保険をご案内します。

上で、『メディカルKit ラヴ』の保障内容や保険料をチェックしました。

その結果、次のことが言えそうです。

  • 申込条件が、他社と比べて厳しい。
  • 三大疾病や七大生活習慣病などに備える手段(特約など)が乏しい。
  • 平凡な保障内容のわりに、保険料は高めの料金設定。

というわけで、このサイトの結論としては・・・

『メディカルKit ラヴ』は、お勧めできません。

以下の商品は、それぞれ『メディカルKit ラヴ』にないメリットがあります。比較・検討してください。

朝日生命『スマイルメディカルワイド』

朝日生命が、保険代理店、保険ショップ、金融機関向けに供給している医療保険『スマイルメディカル』シリーズの、引受基準緩和型です。

もちろん、保険料は、東京海上日動あんしん生命などと同じく割安な設定になっています。というか、むしろ、カタカナ生保・損保系生保と比べても、がんばった価格設定になっています。 『スマイルメディカルワイド』は、保障内容の組み方によっては、業界トップクラスの安さになります。

この商品の保険料以外の魅力は、他社に比べて、加入を引き受けるための基準が緩やかであること。既往症や治療歴については、過去2年分のみの告知でOKです。

たとえば、5年前にがんの手術を受けていたとしても、その後問題が無ければ、申込できます(すんなり加入できるとは限りませんが・・・)。

オリックス生命『新CURE Support(キュア・サポート)』

オリックス生命の人気の医療保険『新CURE』の引受基準緩和型です。

『新CURE』は、三大疾病を含む七大生活習慣病で入院したときに、保障日数を延長する機能が、標準で組み込まれています。
これに対して、『新CURE Support(キュア・サポート)』では、この機能を付けるか選択できます。

保険料が高くなりやすい引受基準緩和型医療保険には、実用的な仕組みです。

保障日数を延長する機能を付加しない基本プランだと、保険料はそこそこ安くなります。

ネオファースト生命『ネオdeいりょう健康プロモート』

ネオファースト生命の名前を聞かれたことが無いかもしれません。まだ設立から短い会社ですが、第一生命グループ100%の保険会社です。

その商品は、東京海上日動あんしん生命などと同じく、保険代理店、保険ショップ、金融機関などで販売されており、保険料は割安です。

『ネオdeいりょう健康プロモート』の魅力は、以下の2点です。

  • 健康割引特則が設けられている。
  • 加入から1年間の、給付金削減がない。

健康体割引は

そもそも医療保険でも珍しいですが、ネオファースト生命は引受基準緩和型でも健康体割引を実現しています。
割引が適用になれば、業界トップレベルの安さになります。

もちろん、割引になるには、条件をクリアしなければなりません。
その条件とは、契約日から5年間で、この医療保険から入院給付金をもらった入院日数が、病気入院、ケガ入院とも5日未満、というものです。

加入から1年間の給付金削減は

ほとんどの引受基準緩和型医療保険で実施されています。たいていは、加入から1年以内に限り、給付金の金額が半減されます。
ところが、『ネオdeいりょう健康プロモート』には、その削減期間がありません。

メットライフ生命『フレキシィ ゴールドS』

メットライフ生命の医療保険『フレキシィS』の、引受基準緩和型です。

2017年7月に商品名を改め、競争力の高い商品になりました。特に注目したいのは、以下の点です。

  • 申込の健康基準が、緩和され、入りやすくなった(入院歴や手術歴は、過去1年以内)。
  • 加入から1年間も、給付金は満額もらえる。

引受基準緩和型のほとんどは、加入から1年間は、給付金が50%に減額されます。『フレキシィ ゴールドS』は、それを取っ払いました。

また、通院特約が用意されています。保障されるのは、退院後180日以内の通院です。
通院特約のある引受基準緩和型は少ないので、通院特約に興味をお持ちの人には、貴重な存在です。


専門家に相談しながら、主要な医療保険の見積もりを実際に比較できるのは、保険ショップです。

医療保険にいったん加入したら、数十年にわたって継続する可能性があります。それだけに選択を誤ったら損害は大きくなります。納得して選んでいただきたいです。

医療保険を検討するときは、家計や公的制度や税金や医療などの知識が必要になります。専門家を使って疑問を解消しながら、おもな商品の見積もりを比較して、もっとも自分に合ったものを選びたいです。

また、保険を販売する人たち(保険会社のセールス、金融機関の窓口、保険ショップ、FP、保険代理店・・・)は、こちらの希望をはっきり表明しないと、販売手数料の高い商品を勧めてきます。
勧められるがままに加入するのではなく、見積もりを比較して、ご自分にとってベストな商品を選んでください。

保険ショップをお勧めするのは、取り扱える商品数の多さゆえ

全国チェーンの保険ショップをお勧めする理由は、単純明快です。

お勧めできるすべての医療保険を、一つの店舗で取り扱っています。お近くの店舗に行けば、お勧めの医療保険の見積もりを、一気に比較できます。

保険ショップと一口に言っても、チェーンによって、取り扱うことのできる保険会社数は異なります。
でも、このサイトでお勧めしている医療保険を、すべてのチェーンが取り扱っています。
ということは、予約して訪問すれば、見積書を一通り入手できます。保険ショップ以外では、こうはいきません。

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 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。