警戒したい医療保険に共通する、パッと見ただけで気づくような特徴は、いくつかあります。

保険には形がありません。それだけでも分かりにくいです。

保険はさらに、起こるかどうかがわからない、将来の出来事を扱っています。このことが分かりにくさ、損得の判断の難しさを決定的にしています。
強欲な保険会社はそこにつけ込んできます。

以下の条件に当てはまる医療保険は、要警戒です。
当てはまったら、ただちにダメな医療保険ということではありません。ただ、より注意深く検討してください。


死亡保険など、別の保険の特約としての医療保障は、後々面倒になります。

死亡保険、養老保険、年金保険などに、特約として医療保険(含む傷害保険)を付けられる保険商品は少なくありません。
また、自動車保険などの損害保険にも、医療の補償がくっついています。

保険には、それぞれ異なる目的があります。医療保険を、他の保険(=主契約)の特約として、一つの保険契約にまとめてしまうと、後々面倒臭いことになりがちです。
たとえば・・・

  • 主契約、特約のすべてが、おトクでニーズに合った保障にはならない。どこかしらニーズに合わない保険に、割高な保険料で入ることになる。
  • いらなくなった主契約を解約すると、特約の医療保険まで消滅してしまう。加入後のニーズの変化に、柔軟に対応できない。
  • 複数の保障をひとまとめにしてしまうと、複雑な仕組みになってしまう。加入時点では理解できていても、数年たつと忘れてしまい、重複加入や、請求もれにつながりやすい。

医療保険に限らず、保険は目的ごとに別々に加入しましょう。
そして、保険証券と、加入したときの見積書・提案書を、整理して保管しておきましょう。


基本保障(=主契約)に、必須ではない保障が、複数含まれている医療保険は要注意。

医療保険は、取りはずすことのできない基本保障(=主契約)と、加入者が選べる特約からできています。

基本保障(=主契約)に機能が盛りだくさんになっていて、そのぶん他社より保険料が高い医療保険は要注意です。

充実した保障は、保険会社がもうけるためかも

本来、基本保障(=主契約)は、よく使われる保障、必要不可欠な保障だけで構成されているべきです。
それ以外の保障は、特約として、加入者が選べればいいわけです。

あまり使われない保障を基本保障(=主契約)に組み込んでおくと、保険会社のもうけは増えます。
金もうけ主義の保険会社は、保険を検討している人を不安であおります。そして、保障が充実しているとアピールしながら、基本保障(=主契約)に保障がてんこ盛りになった保険を売り込みます。

次の保障が、基本保障に複数入っていたら要注意

必須とは考えにくいのに、基本保障(=主契約)に組み込まれていることがある保障を例示します。

  • 先進医療給付金。
  • すべての病気、または特定の病気の、入院1回あたりの保障日数が60日を超える、入院給付金。
  • 5日未満の、短期入院に手厚い入院給付金。
  • 亡くなったときのもらえる死亡給付金。

これらのうちの、1つぐらいであれば、気配りとか、商品のコンセプトと考えられなくはありません。しかし、複数が基本保障(=主契約)組み込まれていたら、要注意です。

ただし、上にあげた保障そのものが、ムダとか有害ということではありません。単に、医療保険に加入するすべての人に必要とは考えられない、ということです。

よって、注意深く検討した結果、自分の希望に合っているという判断にたどり着く可能性はあります。


オススメできない医療保険、または、オススメできないわけではないけれど注意が必要な医療保険。

仮に、流通している医療保険のすべてを見積もり・比較しようとすると、商品の数は20近くになります。見積もりを集めるだけで、大きな時間と労力になります。

効率的に検討を進めていただくために、検討対象から外しておきたい医療保険と、個性が強いので、検討に加えるかを事前に判断した方が良さそうな医療保険を、ご案内します。

伝統ある国内大手生保は、保険料が高すぎる

条件設定をそろえて保険料を比較すると、保険会社による価格差は、意外に大きいです。
検討に値しないくらい保険料が高いのは、伝統ある国内大手生保です。日本生命、明治安田生命、第一生命、住友生命、朝日生命、三井生命等です。

具体例をご覧いただきましょう。

保険会社
保険商品
月々の保険料
日本生命
『みらいのカタチ 総合医療保険』
30歳男性 入院給付金10,000円
終身保障・60歳までの短期払
15,440円
東京海上日動あんしん生命
『メディカルキット自由設計』
30歳男性 入院給付金10,000円
終身保障・60歳までの短期払
5,810円

別々の保険商品なので、保障内容なまったく同じではありませんが、できるだけ条件を近づけて比較しました。保険料は3倍近く差があります。

もう1社、明治安田生命でも比較してみました。

保険会社
保険商品
月々の保険料
明治安田生命
『メディカルスタイル』
40歳男性 入院給付金5,000円
10年保障
2,540円
メットライフ生命
『やさしくそなえる医療保険』
40歳男性 入院給付金5,000円
10年保障
1,629円

小型の医療保険での比較なので、金額の差は大きくありませんが、それでも1.5倍の差があります。

JA共済、全労済(こくみん共済等)も、意外と高い

共済というと、安価なイメージがありますが、見積もりしてみると、そうでもありません。

たとえば、JA共済の場合。

保険会社
保険商品
月々の保険料
JA共済
『医療共済』
35歳女性 入院給付金10,000円
終身保障
9,360円(80歳で払込終了)
アフラック
『ちゃんと応える医療保険EVER』
35歳女性 入院給付金10,000円
終身保障
3,789円(終身払込)
6,869円(60歳で払込終了)

JA共済『医療共済』は、保険料の払込が80歳までです。この条件をそろえることができなかったので、アフラックの方は、終身払込、60歳まで払込の、2つの保険料を載せました。

ご覧のように、アフラックの60歳まで払込の保険料と比べても、1.36倍の高さです。
保険料を払い込む年数としては、より近い終身払込の保険料と比べると、JA共済は2.47倍も高いです。

都道府県民共済は安いけれど、老後に保障が薄くなる

都道府県民共済は、都道府県によって異なりますが、基本的な仕組みはだいたい共通しているようです。

図は、東京都民共済『生命共済 - 熟年入院型』の仕組みです。

65歳になる前は、入院1日あたり10,000円の保障ですが、65歳からだんだん下がり始めて、80歳以降は1日あたり2,000円まで減少します。そして、85歳で消滅してしまいます。

東京都民共済の掛金(保険料)は、一律月々2,000円と安いです。安くできる理由の一つが、入院が増える老後に、保障を薄くすることなのでしょう。

いずれにしても、この生命共済に入って、老後の医療費の準備ができているつもりになっている人がいたら、心配です。
この共済の老後の入院保障は、気休め程度のものです。

ちなみに、健康保険や高額療養費制度のおかげで、70歳以降医療費の自己負担割合は低くなります。
その一方、年齢が上がるにつれて、入院する危険性は高まり、1回あたりの入院日数は長くなります。
自己負担割合が下がっても、医療費の金額そのものは、減ってくれるとは限りません。

 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。