医療保険の要否を考えるときは、脳血管疾患で入院したときの費用を判断基準としましょう。

医療保険が自分に必要かを判断するには、ある程度入院が長期化したケースを想定するしかありません。そうなったときに、手持ちのお金だけで対処できないとしたら、医療保険を検討した方が良いでしょう。

ただし、入院期間の長期化と言っても、具体的にどのくらいの期間と費用を想定すれば良いでしょうか?

脳血管疾患をモデルケースに

入院が長期化しやすい病気はいくつもあります。その中から、モデルケースとしてお勧めしているのは、三大疾病の一つ脳血管疾患(いわゆる脳卒中)です。

日本人の死因の上位を占める三大疾病(他の2つは、がんと心疾患)のうち、もっとも入院の負担が大きくなりやすいのが脳血管疾患です。

厚生労働省『医療給付実態調査』(平成26年)によると、脳血管疾患の入院日数と医療費は以下のようになります。

  • 平均入院日数68.23日
  • 入院1日あたりの医療費29,935円

これらの数字をもとに、入院費用総額(自己負担額)をご覧いただきましょう。

年代・収入別の、入院費用総額

といっても、健康保険などの公的医療保険制度は、年代や収入によって、自己負担額が変動する仕組みになっています。
そこで、こうした仕組みに合わせて、それぞれの費用総額を試算しました。69歳まで(健康保険で3割負担)の金額です。

区分 自己負担額
標準報酬月額83万円以上
or報酬月額81万円以上
580,245
標準報酬月額53万~79万円
or報酬月額51.5万円以上~81万円未満
415,525
標準報酬月額28万~50万円
or報酬月額27万円以上~51.5万円未満
246,745
標準報酬月額26万円以下
or報酬月額27万円未満の方
172,800
低所得者、市区町村民税の非課税者等 106,200

入院の雑費とは、日用品代、電話代、新聞雑誌代などです。こうした費用は、医療費には含まれないので、別に実費がかかります。長期の入院では、無視できない金額になります。

高額療養費を受け取るルール

なお、高額療養費の原則のルールでは、以下のような流れになります。

病院窓口にて3割負担で支払う
高額療養費の申請を行う
自己負担分を超えた金額がもどる

つまり、高額療養費の自己負担額がいくらだろうと、いったんは3割負担の612,760円(上の試算の場合)を用立てなければなりません。

ただし、あらかじめ高額になることがわかっているときは、限度額適用認定証を健康保険の事務局から発行してもらいましょう。病院の窓口で支払いをするときに、高額療養費制度の自己負担額だけを支払えるようになります。

預貯金で心細いなら、医療保険を検討

明日、いきなり脳血管疾患で倒れて、緊急入院になることを仮定して、上の表の自己負担額をお考えください。
上の表は入院費用だけの試算ですが、できれば入院中の所得の減少なども考慮したいです。

それで、がんばれば支払える金額ではあるけれど、預貯金だけでは心細いということなら、医療保険を検討する価値はあります。

もし、このケースで、医療保険に加入していたとしたら、最低限の保障内容でも40万円前後を給付金として受け取ることができます。保障を厚くすれば、もっと多くなります。

逆に、上の表の金額を、余裕をもって負担できるなら、あわてて医療保険を検討することはないかもしれません。


70歳以降は、医療費の自己負担割合が低くなります。しかし、実際に負担する金額そのものが安くなるとは限りません。

上の脳血管疾患の試算では、70歳未満の現役世代を前提としていました。70歳以降は、健康保険など公的医療保険制度の自己負担割合は大幅に下がります。

となると、70歳以降は、医療保険の必要性が低くなるのでしょうか?

70歳以降、医療費の自己負担割合は下がる

老後の医療費について考えるときに、明るい材料として、公的医療保険制度の自己負担割合が低くなる点があります。

  • 健康保険(後期高齢者医療制度を含む)の自己負担割合が、3割⇒2割(70~74歳)⇒1割(75歳以降)と低くなる。
  • 高額療養費の自己負担限度額が低くなる(一般所得者の上限が月44,400円)。

実際に支払う金額が下がるとは限らない

健康保険(後期高齢者医療制度)や高額療養費制度の自己負担が下がるからといって、実際に支払う金額が下がるとは限りません。

グラフは、45歳以降の入院患者数と入院日数の変化を表しています。厚生労働省『患者調査』(平成26年)から抜き出しました。

45歳以降の入院日数と入院患者数の推移

患者数(グラフの青い棒)は、平均寿命にあたる80代中盤頃まで、急激に増加しています。「45~49歳」と「80~84歳」の患者数を比べると5倍も増えています。
つまり、年齢が上がるにつれて、入院する危険性が飛躍的に上がります。

入院日数(ピンク色の棒)も増えています。患者数に比べると、変化の幅は小さいですが、着実に増えています。
1日あたりの費用が下がっても、入院日数が長くなるとしたら、入院費用の総額が減るとは限りません。

このように、70歳以降の入院費用が、それ以前より減るとは楽観できません。

老後の入院費用は家計や保険の専門家に相談

医療費に限って判断する限り、老後になって、医療保険の必要性が下がるとは言えないようです。

ただし、現役世代と老後では、収入、預貯金、生活費、生活環境などが違います。
たとえば、仕事による収入が必要なくなれば(年金や預貯金で生活費を確保するなら)、入院よる収入減少の心配はなくなります。
また、預貯金に余裕があって、医療費の自己負担分全額を、預貯金かねん出できるかもしれません。

この点は、世帯によって、あるいはお一人お一人で事情が異なります。将来の年金受取額、老後の預貯金などを見通しながら、医療保険の必要性を判断しなければなりません。
家計や保険の専門家に相談されることをお勧めします。


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医療保険にいったん加入したら、数十年にわたって継続する可能性があります。それだけに選択を誤ったら損害は大きくなります。納得して選んでいただきたいです。

医療保険を検討するときは、家計や公的制度や税金や医療などの知識が必要になります。専門家を使って疑問を解消しながら、おもな商品の見積もりを比較して、もっとも自分に合ったものを選びたいです。

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統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。