三大疾病は、生命にかかわる病気です。七大生活習慣病のうち、三大疾病以外の4つの病気は、さまざまな病気の原因となります。

医療保険の商品説明の中では、たいてい三大疾病や七大生活習慣病(七大生活習慣病)への充実ぶりがアピールされています。
これらの病気に対する特別扱いは必要なのでしょうか。必要だとしたら、どの程度厚くすればよいのでしょうか。

三大疾病は、日本人の死因の上位を占める

厚生労働省『平成26年簡易生命表の概況』から、三大疾病、七大生活習慣病の死亡確率を抜き出しました。( )内の数字は全死因の中での順位です。

病名 死亡確率






がん
(悪性新生物)
29.42%
(1位)
脳血管疾患
(脳卒中)
8.37%
(4位)
心疾患 14.42%
(2位)
高血圧性疾患 0.45%
(13位)
糖尿病 1.00%
(12位)
肝疾患 1.23%
(11位)
腎不全 2.00%
(9位)

三大疾病は、死亡確率で1,2,4位を占めています。

気になるのが3位ですが、肺炎です。肺炎は、もちろん警戒が必要な病気ですが、何かの原因で(他の病気など)で身体の抵抗力が低下しているときに、かかりやすい病気のようです。
ということは、抵抗力を下げている原因を予防し取り除くことが、主な対策になります。そういう意味では、三大疾病とはタイプが異なります。

三大疾病以外の4つの病気の死亡確率は、三大疾病と比べるとかなり低いです。
もっとも、1%というのは100人に1人ということです。軽く受け止めていい数字とは思いませんが・・・

しかし、これらの4つの病気の恐ろしさは、上の数字とは別のところにあります。

万病の元になる病気、一生の付き合いになる病気

三大疾病以外の4つの病気の怖さは、次の2つの点にあります。

  • 他のいろいろな病気を引き起こす。
  • 生活習慣病と呼ばれており、一度かかると一生の付き合いになる危険性が高い。

具体的に、4つの病気について、ご覧いただきましょう。

病名 症状など 関連して起きがちな病気
高血圧性疾患 高血圧は心血管病(脳卒中および心疾患)の最大の危険因子といってよい(特定非営利活動法人日本高血圧学会)。
  • 脳卒中
  • 心疾患
  • 慢性腎臓病
  • 末期腎障害
  • 血管性認知症
糖尿病 糖尿病による合併症予防には、生涯を通じての治療継続が必要である(一般社団法人日本糖尿病学会)。
  • 網膜症
  • 神経障害
  • 腎症
  • 動脈硬化
  • 歯周病
肝疾患 肝炎が持続すると慢性肝炎から肝硬変、さらには肝がん(肝細胞癌)へと進展する可能性があります(一般社団法人日本肝臓学会)。
  • 肝がん
腎不全 腎臓の機能はいちど失われると、回復することがない場合が多く慢性腎不全といわれる病態になります(一般社団法人全国腎臓病協議会)。
  • 高カリウム血症
  • 高血圧
  • 心不全
  • 肺水腫

これら4つの病気のやっかいさを、お分かりいただけるかと思います。

七大生活習慣病には入らないけれど、死亡確率の高い病気

せっかくなので、上にご案内していない日本人に多い死因も、ご覧いただきましょう。

原因 死亡確率
肺炎 11.37%
(3位)
老衰 4.43%
(5位)
事故 3.27%
(6位)
慢性閉塞性肺疾患 2.12%
(7位)
自殺 2.08%
(8位)
大動脈瘤及び解離 1.23%
(10位)
結核 0.21%
(14位)

慢性閉塞性肺疾患の最大の原因は喫煙で、喫煙者にとっては生活習慣病だそうです(一般社団法人日本呼吸器学会のホームページより)。
大動脈瘤及び解離は、高血圧に関係が深いとされ、重症では致死率の高い、怖い病気です。


三大疾病や七大生活習慣病で、入院日数長期化が心配なのは脳卒中くらい。三大疾病や七大生活習慣病のために入院保障日数を延長する必要性は低そう。

上でご覧いただいたように、三大疾病・七大生活習慣病は、恐ろしい病気です。
そのせいか、医療保険を調べると、これらの病気に対して、いろいろな形で手厚くなっています。

よく目にするのが、三大疾病・七大生活習慣病による入院の、保障される入院日数が延長される、というもの。
ほとんどの医療保険では、入院1回あたり60日までの保障になっています。
これに対し、三大疾病、七大生活習慣病による入院の場合、60日を超えて保障してくれます。120日までとか、日数無制限とか。

医療保険によっては、三大疾病・七大生活習慣病の保障日数が、標準で60日より長く設定されています。それ以外の医療保険では、特約を付けることによって、保障される日数を延長できるようになっています。

やはり、三大疾病・七大生活習慣病の入院では、入院の長期化に備えるべきなのでしょうか?

脳卒中以外の入院日数は意外と短い

ところが、三大疾病と七大生活習慣病の入院日数を厚生労働省の統計で調べてみると、入院日数長期化が心配なのは脳卒中くらいです。

以下は、厚生労働省『患者調査』(平成26年)からの引用です。赤字が三大疾病です。

傷病名 平均在院日数
がん 19.9日
糖尿病 35.5日
高血圧性疾患 60.5日
心疾患 20.3日
脳血管疾患 89.5日
肝疾患 25.8日
腎不全等 37.9日

上の表は平均的な日数ですが、脳血管疾患を除くと、平均より1~2週間入院が延びても、60日までの入院保障で間に合います。

危険性の高さを考えると、保障する入院日数を延長するのは、脳血管疾患だけでよさそうです。
それなのに、三大疾病や七大生活習慣病まるごと延長して、そのぶん高い保険料を払うのはスッキリしません。

手術給付金を含めると、脳卒中の費用の大半をまかなえる

60日までの入院保障では、脳血管疾患(脳卒中)の入院費用全額をまかなうのは、難しそうです。なにしろ、33日も超過するのですから。

ところが、実際に金額を計算すると、1入院60日までの保障の医療保険でも、意外とがんばってくれます。

70歳未満の平均的な所得の人が、入院給付金日額5,000円、手術給付金5万円の医療保険に加入していた、という設定での試算をご覧いただきましょう。

入院費用(医療費のみ)
85,967円(高額療養費の自己負担限度額)×3ヶ月+25,610円(3日分)
= 283,511円
医療保険から出る給付金
5,000円(入院給付金日額)×60日(保障日数上限)+50,000円(手術給付金)
= 350,000円

なんと、60日分の給付金でも、オツリがきてしまいます!高額療養費制度のおかげです。さらに、1日あたりの医療費が安い病気であることも、ちょっぴり貢献しています。

ただし、収入が平均より多いと、高額療養費制度の自己負担限度額も上がります(つまり、自己負担額が増えます)。そうなると、入院給付金日額5,000円、手術給付金5万円の医療保険では足りなくなります。

いずれにしても、1入院あたりの保障日数を延長しなくても、脳血管疾患(脳卒中)にある程度は対処できる、と言えそうです。


三大疾病・七大生活習慣病の治療に、通院で取り組む患者が多くなっています。できれば、通院治療にもそなえたいところです。

三大疾病、七大生活習慣病の入院日数が意外と短かいことを、上でご覧いただきました。
その一方、通院でこれらの病気に取り組む人が多くなっています。

脳血管疾患以外の病気は、通院患者の方が多い

厚生労働省『患者調査』(平成26年)をもとに、七大生活習慣病の入院患者数と外来患者数(=通院の患者数)を比べてみました。

病名 入院患者数 外来患者数
がん 129,400人 171,400人
糖尿病 20,900人 222,300人
高血圧性疾患 6,400人 671,400人
心疾患 59,900人 133,900人
脳血管疾患 159,400人 94,000人
肝疾患 8,000人 32,600人
腎不全等 33,700人 118,400人

入院患者も、入院前や退院後に通院するでしょうから、外来患者数の方が多くても不思議はありません。
とは言え、三大疾病以外の4つの病気、糖尿病、高血圧性疾患、肝疾患、腎不全では、外来患者数がケタ違いに多いです。
これらの病気では、通院しながら(外来患者として)治療に取り組む人の数が、とても多いのでしょう。

通院しながら治療がメインになる"がん"も、複数ある

また、三大疾病の1つであるがんでも、がんの種類によっては、通院治療がメインになります。

患者数が多い7つのがんについて、上と同じように、入院患者数と通院患者数を比べてみましょう。

がんの種類 入院患者数 通院患者数
胃がん 14,900 19,200
大腸がん 19,300 23,900
肺がん 5,500 15,400
肝がん 7,900 6,100
乳がん 5,200 24,200
前立腺がん 5,600 17,700
膵臓がん
5,200
3,700

肺がん、乳がん、前立腺がんは、通院患者数が圧倒的に多いです。
たとえ医療保険で、がんによる入院保障を日数無制限にしていても、通院で治療することになってしまうと、役に立ってくれません。

できれば、通院治療にもそなえたいところです。


医療保険で、七大生活習慣病すべての通院費用をまかなうのは無理。医療保険による対策は三大疾病に絞るのが現実的。

医療保険は、入院保障をメインとする保険です。それでも、通院に使える保障はあります。主なものとして、下の2つがあります。

  • 通院給付金
  • 一時金として出る給付金

しかし、実際の商品を調べてみると、けっこう手薄です。

通院給付金は、使える場面が限定される

まず通院給付金の方は、この給付金を用意している医療保険が限られてしまいます。

そして、この給付金があっても、通院保障の条件・期間が厳しく制限されていたり(入院前後の数ヶ月間しか、保障されない等)、通院保障される病気が限定されていたり(がんの通院だけ、とか)と、不十分です。

治療のために必要不可欠な通院もあれば、気休めだけの不要な通院もあります。
保険会社は、後者のような通院にはお金を出したくありません。そこまで出していたら、保険料もうんと高くなるでしょうし。
ところが、必要な通院と不要な通院を区別するのは難しいです。それで、保険会社は通院保障に後ろ向きになってしまいます。

一時金の給付金は、三大疾病だけならOK

一時金として出る給付金は、加入するときに決められた金額しかもらえません。それで、通費用のすべてをまかなえるとは限りません。
しかし、使い道を自由に決められます。もちろん、通院費用に当てることもできます。

保険会社によって基準は異なりますが、所定の病気と診断されたり、所定の病気で入院したり、所定の治療(手術、放射線治療、抗がん剤治療、先進医療など)を受けると、まとまった金額が、医療保険から出ます。

この"所定の"というのがクセ者です。要するに、対象となる病気や治療法が限定されしまう、ということです。
ほとんどの医療保険は、がんのみか三大疾病が対象です。七大生活習慣病すべての通院費用の保障は無理でしょう。

医療保険は、まとまった治療費が発生するときの備え

要するに、医療保険では、三大疾病・七大生活習慣病の治療費用を、満足にカバーできません。
ちょっと頼りなく感じてしまいます。

しかし、もともと医療保険のコンセプトは、入院のような、一気のまとまった出費をまかなうところにあります。
そんな医療保険の守備範囲の境界線が、図のように、三大疾病と七大生活習慣病の通院費用にあるということでしょう。

たとえば、軽度の高血圧や糖尿病の場合、日々の食事や運動が治療の中心になります。定期的に通院しなければなりませんが、1回1回の費用は大きくありません。
そのあたりまで医療保険で守られる必要はないかもしれません。

いずれにしても、七大生活習慣病の通院費用は、通常の通院費用と同じように、預貯金などで対応することを考えましょう。


医療保険として、三大疾病・七大生活習慣病に対策するときの、オススメの医療保険はこちらです。検討に加えてください。

ここまでのポイントを整理します。

  • 三大疾病・七大生活習慣病のために、1入院あたりの保障日数を延長する必要性は低い。
  • 通院費用のうち、医療保険で対策できるのは、三大疾病の分だけ。しかも、全額をまかなえるとは限らない。
  • 七大生活習慣病のうち、三大疾病を除く4つの病気の通院費用は、預貯金でまかなう。

というわけで、三大疾病・七大生活習慣病に向けて、医療保険でできる有効な対処法は、三大疾病のときに一時金として給付金が出る商品を探すことです。

検討に加えていただきたい医療保険

三大疾病で一時金が出る特約は、ほぼすべての医療保険で、用意されています。
その中から、給付金が出る条件が厳しすぎなくて、かつ保険料が割安な商品を、以下にご案内します。

オリックス生命
『新CURE(キュア)』
三大疾病のうち、がんは診断確定で、急性心筋梗塞脳卒中は入院で、一時金が出ます。
メットライフ生命
『フレキシィ(シンプルタイプ)』
三大疾病のうち、がんは診断確定で、急性心筋梗塞脳卒中は手術もしくは20日以上の入院で、一時金が出ます。
アフラック
『ちゃんと応える医療保険EVER』
三大疾病のうち、がんは診断確定で、急性心筋梗塞脳卒中は手術もしくは20日以上の入院で、一時金が出ます。
チューリッヒ生命
『終身医療保険プレミアムDX』
三大疾病のうち、がん急性心筋梗塞脳卒中のいずれでも、診断確定すると保険金が出ます。

表の中では、3つの病気とも診断給付金としているチューリッヒ生命『終身医療保険プレミアムDX』が、使い勝手は一番です(給付金が出やすく、出るタイミングは早い)。
ただし、この特約を付けることによる保険料の上がり幅は大きいです。

他の3つの医療保険は、急性心筋梗塞と脳卒中では入院または手術が条件になりますが、そのぶん保険料の上がり幅は小さいです。

比較検討して、納得の上で選んでください。

一時金がもらえる給付金にも、いくつか種類がある

上の通り、一時金がもらえる給付金にもいくつか種類があります。

大きく図の3つのタイプに分かれます。すっきりと3つに分けられるのではなく、からみあっています。

診断給付金は、診断が確定したら給付金を請求できます。特定の病気のときしかお金は出ませんが、当てはまったときは、給付金が出やすく、出るタイミングは早いです。

三大疾病の手術給付金入院給付金は、三大疾病にかかるだけでは、お金は出ません。かかった上に、入院したり、手術を受けなければお金は出ません。
さらに、入院給付金の場合は、入院日数が条件になっていることがあります(20日以上、60日以上など)。

お金が出る条件がゆるやかなほど、使い勝手はいいですが、そのぶん保険料は高くなります。
バランスをみながら、決断することになります。


オススメの医療保険の保険料の差はわずか。年齢、性別、特約で優劣は入れかわります。見積もりをとって比較しましょう。

オススメの医療保険は、保険料が接近しています。安さの優劣は、年齢、性別、特約付加などによって入れかわります。

候補となる商品数が複数あって、価格差が小さいとなると、個人が見積もりを集めてしっかり比較するのは大変です。
しかし、いったん加入したら、一生かかわることになるかもしれない医療保険です。テキトーな選び方はできません。

医療保険に加入する方法はいくつかありますが、全国チェーンの保険ショップを利用するのが、現状での選択肢の中では、ベストでしょう。

保険ショップをお勧めするのは、取り扱える商品数の多さゆえ

全国チェーンの保険ショップをお勧めする理由は、単純明快です。

お勧めできるすべての医療保険を、一つの店舗で取り扱っています。お近くの店舗に行けば、お勧めの医療保険の見積もりを、一気に比較できます。

保険ショップと一口に言っても、チェーンによって、取り扱うことのできる保険会社数は異なります。
でも、このサイトでお勧めしている医療保険を、すべてのチェーンが取り扱っています。
ということは、予約して訪問すれば、見積書を一通り入手できます。保険ショップ以外では、こうはいきません。

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 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。